福岡音楽情報ポータルサイト[Blue Jug/ブルージャグ] | Editor's Room | 個人情報について | サイトポリシー | お問合せ |  

HOT NEWSHOT NEWS巻頭PHOTOVoice Gallery月刊INDEX福岡ROCK百科staff blogPodCast
巻頭PHOTO
BAND一覧
ロック年表
ロックマップ
ロック A to Z
release
写真集
特集
インタビュー
レポート
コラム
対談
アーティスト語録
コレクション
エピソード・コレクション
   
  福岡音楽情報サイト「Blue Jug」TOP > 福岡ロック百科 > レポート一覧 > 山口洋 〜 寺本祐司レポート(2008年06月14(土)
レポート


"2000年代"リスト

寺本祐司レポート「山口洋ライブ」 2008.07.06






 山口洋を見に熊本ジャンゴへ
    山口洋ライブ
    時:2008年6月14日(土)開場5:30 開演6:00
    所:熊本ジャンゴ

    2008年がジャンゴ(Django)初体験とは、われながら情けない。地下につづく階段を降りると受付、バーのカウンターを右手に正面がステージ。ジャンゴは熊本の老舗ライブハウス。シックでイカした店です。

    デンマークGROLSCHの缶ビールがバリューだったので3本購入して席探し。

    客席の前方はすでに満席状態。こんなことならもっと早くくればよかった。1人だったので、イス1個だけ空いたところないかと前方を物色するも、無駄な努力。
    8列目ぐらいに座ることができた。足もとにGROLSCH3本。

    山口洋登場。エレアコ片手に颯爽とステージへ。ニコニコ笑いながら東京弁で挨拶。
    喉を低音で響かせるような声が、ゆるゆるのカーリーヘアーのセミロン毛が、胸をはだけた白いシャツが、スリムなブルージーンがまるで福山雅治のよう。

    「上品にならはったなぁ」

    が第一印象。ジャンゴのステージにもライトが吊ってあるが、このくらいの高さならジャンプして頭をぶつけそうになっていた1984のヒートウェイヴ。
    あの頃と比べると

    「上品にならはったなぁ」

    と思った。背が伸びたような印象。足が長くなったような印象。


 あたりまえだがプロフェッショナル
    山口洋、ステージではミネラルウォーターを飲んでいた。オシム監督のようにラベルをはがしブランドが分からないようにしている。
    缶ビール飲んで、ワオ〜みたいなステージはしないようだ。
    あたりまえだがプロフェッショナル。

    それとオフステージで感じたのだが

    「どうでした?楽しんでもらえましたか?」

    と聞かれた。私に聞くくらいだから、何人ものファンにそう聞いているのだろう。
    チケット分だけ楽しんでもらえたか、それを確かめる姿勢にプロを感じた。
    ずっと長いことプロなのだが。


 ヒートウェイヴ山口洋のデビュー曲
    「デビュー曲やります」

    と山口洋。なにを弾いてくれるのだろうか。どこをデビューと考えているのか。
    イントロはじまる。このイントロなら3〜4曲候補があるな、と下衆の勘繰り。

    SONYからのメジャーデビュー「僕は僕のうたを歌おう」がヒートウェイヴのデビュー曲か。それ以前にも、デビュー曲といってもいい曲がいくつかあるのにと思った。


 「今日もゴキゲンなMCを聞かせてくれるかな〜」「いいよおー」
    あたりまえだが、客席の空気の読み方も絶妙。
    曲の途中でブルーの照明がピカーッとなったとたんに演奏をやめ。

    「照明は地味にして下さい」

    と照明スタッフ〜に話しかける。
    会場はドッカーンと満点大笑。

    照明が白色光になると

    「もう少しリバーブを効かせて下さい」

    とPAにも注文。

    「それじゃサビの部分から歌いなおします」

    と山口洋。


 エレアコマンとセミアコマン
    ヒートウェイヴ山口洋はセミアコマンの印象が強かったが、その夜は堂々ピンのエレアコマン。
    セミアコマンの山口洋はギュインギュイン感とフィードバック感がオシ。
    エレアコマンの山口洋は、オープンチューニング(多分)もやるし、カポタストなども使う。
    アングルで首からブルースハープをさげる姿はカキツバタならぬボブ・ディラン。

    一つのコードで20とおりくらいの音をだす。
    アップストローク、ダウンストローク。
    低音2弦を重点的に弾いて、渡辺地獄(b)のいないステージにブースト感をだす。
    高音3弦を女性を扱うようにソロ〜ッと弾いてやさしさを表現。
    煌びやかにハーモニックス祭。
    熱いビートをカッティング〜。
    独自のアルペジオ。
    ポケットからヒラヒラとピックを取り出しギターソロ。

    ニール・ヤングだろうか。
    いや、スティーブン・スティルス。
    もしかして、テッド・ナジェント。
    むむむ、ドノバン。

    どのギタリストとも違う、セミアコマン的エレアコマンの奥義を披露してくれた。


 ヒートウェイヴ30周年
    2009年でヒートウェイヴは30周年らしく「いろいろとがんばって行きたい」と山口洋。
    徒楽夢やビブレでジャンプしていた頃から30年か。
    中原英司(V)の英語じゃないけど英語っぽい自作の歌詞もパワフルだった。
    映画”NANA”にもこんなシーンがあった。宮崎あおいのナレーションで。
    博多の歴史を受けつぐビート・ビートなバンドスタイルは確立されていたが。

    それから脱めんたいともいえる新境地をボーカリスト山口洋できずき、メジャーデビューして、現在に至る。アニソンをやったときもあった。TVで見ることもあった。


 フジ系テレビドラマの音楽
    「今度、フジ系テレビドラマの音楽を担当します」

    と山口洋のアナウンス。スゴイ。

    「なぜかテーマソングは、財津和夫と藤井フミヤ」

    で、笑いをとる。

    山口智充が主演らしい。

    「グッサンはヒートウェイヴが好きらしい」

    と山口洋弁。あなたもある意味グッサンでは。2008年面白いことになりそうだ。


 TOKYO CITY HIERARCHY
    メジャーデビュー以後の曲を演奏してくれた。博多時代の曲は封印しているのだろうか。博多時代の作品には山口自身ノリノリの発言はしない。
    ネットで法外な価格がついた自身のCDには手を出すなとコメントしている。


 メインストリートとその周辺
    いまだに野田敏にいたく傾倒しているとのこと。
    野田はメインストリートという熊本のバンドをやっていた。

    熊本からは林田英夫のロッビン・ザ・クレイドルもジャンピング・ジャムなどに参戦していたなぁ。

    山口洋の強力プッシュで、山口洋と野田敏は2008年にカタチあるモノをともに作り上げる方針らしい。


 熊本のヒートウェイヴ・ファン
    ロックらしからぬ風貌のファンもいた。ビジュアル系でもなく、カジュアル系でもなく、リーマン系でもない大人の人がいた。還暦とはいわずとも余裕で50歳オーバーのその男性に

    「山口洋のファンですよね」

    と聞くと、筋金入りで1991熊本大学黒髪祭からファンだそうだ。
    会場で販売されていたCD群をチェックして

    「これは全部もっとる」

    と豪語。恐るべし。

    女性ファンも沢山いたが。

    「キャー、山口さ〜ん」

    な感じの、イエローヴォイス系のギャルは皆無。行儀よく座ってじっと聞き入る中堅OL風な女性が多かった。
    表現しにくいが、さらに高齢で大人の女性風な人は食品や酒類など生活に密着したものを山口洋にプレゼントしていた。

    「天神の屋上で演奏ばしよる…U TUBE…パソコンは分からん」

    という会話が耳に入る。
    キミキミそれは天神解放地帯といって…ヒートウェイヴ・フリークの熊本県民に演説をしたろうかと思ったがやめた。

    お早うからお休みまでというか、ヤングから中年まで、山口洋のファン層は裾の広いポアソン分布を示していた。


 サインをもらって、エイジングー
    ライブ後に山口洋が楽屋から登場。客席の丸テーブルにドッカとかまえて大サイン大会。熊本にも熱烈なファンが沢山生息している。

    アルバム「月に吠える」(1998)を購入してサインの列にならんだ。
    それから、ジャンゴに来る前に買ったIGGY POP “LUST FOR LIFE”もセロファンをはずして待った。


    「月に吠える」のマンホールのジャケ写真はROD STEWARTの “GASOLINE ALLEY”に似た質感をもっている。
    下を向いたままの山口洋にサインしてもらった。
    つぎに “LUST FOR LIFE” を差し出すと

    「IGGY POPじゃないすか」

    とまつ毛の長いハリウッドスマイルのIGGYの顔にかからないように配慮して山口洋のサインをしてくれた。
    “LUST FOR LIFE”にIGGYのサインがしてある感じになった。満足。

    山口洋に私の風貌がAGING(エイジング)的なことを言われた。
    私はヤングではなく、マジ、ハンパなく大人すぎるくらい大人であると。


 デジカメのシャッターが押せない
    念のためにデジカメを持参していた。
    しかし、ジャンゴのお客さんはあまりにもレディース・アンド・ジェントルマンなのでライブ中に写真撮影する勇気はなかった。
    ウエナワズ・ヤング、原宿クロコダイルでも渋谷ライブインでも京都拾得でも写真撮影してたのに。
    ライブハウスで写真を撮るときは工夫がいる。OLがグウと鳴るお腹をごまかす感じ、いや、高校生がくしゃみとFARTを同時にかまして何事もなかった感じにするのに似ている。
    ライブの途中の撮影はいかん。アンコール、それも2回目のアンコールでノリノリのアップテンポナンバーのときに撮影する。シャッターを押すタイミングは照明ライトが全開でパ〜とフラッシュするときにパチリ。会場のノリと照明の塩梅にシンクロさせて撮影すると場をシラケさる心配などがない。
    しかし、今回はデジカメを取り出すことすらできなかった。

    サイン会で写真を1枚とも思ったが。

    「俺は写真は好かん」

    と言われそうだったので、デジカメは封印した。


 ジャンゴに行く前にタワレコ
    「ご注文のIGGY POP “LUST FOR LIFE”が届いています」

    と電話をもらっていたので、タワレコによってからジャンゴへ。
    “LUST FOR LIFE”をもらったついでにAPRIL WINEのCDを注文。
    そうすると

    「在庫確認しますね」(在庫ないと思います)
    「在庫はありませんでした」(やっぱり〜)
    「それでは注文書に…」

    と言ったところで女性スタッフ〜が空気を察して

    「お急ぎですか?」

    ということで、APRIL WINEのCDの詳細なメモをわたし
    「6時からジャンゴで…」

    というと女性スタッフ〜は

    「承知しました。注文書はこちらで書いておきます」

    と常連待遇にしてもらった。走れ、走れ。


 今回のライブはタテタカコとのジョイント
    タテタカコは音大出身で、バイエル、ソナチネ、コーリューブンゲン、コンコーネなどしっかり勉強している。楽典マスターだと思う。
    だからある意味、柔道出身の総合格闘家というか、強くてあたりまえな感じがする。
    KORGもこんだけ弾いてもらったら、ススもたまらず、吹き抜けばっちりなV8エンジンだろう。
    ギャルズバンドのキーボードがDX-7などをピロピロとしか弾かずヤマハが可哀そうと思うこともあったが、タテタカコはノビノビと和音にのせて弾きまくり、脳天から上に向かってピコ〜ンと共鳴する感じで発声していた。腹式呼吸でしっかりブレスを取りながら。
    左手の親指と小指をビヤ〜ンと開きキーボードを弾くので、ベース音がジャンゴじゅうに共鳴していた。
    目をつぶったらとても一人とは思えない演奏。

    タテタカコはナチュラルな天然素材的曲を奏でるが、歌詞には逆に汚い言葉をちょいちょい入れて、曲と歌詞のギャップ感を生かしていた。

    タテタカコは演奏の合間に精神がふっとどこかに行ってしまう。客席ほったらかしで、座ったままヨガのような屈伸やら太極拳のような深呼吸をする。
    沈黙を恐れない性格なのだろう。

    タテタカコ、ひとことでいうと宮崎駿監督が好きそうなタイプのアーティストだ。

    アンコールでは山口洋とジョイント、タテタカコの歌とキーボードに山口洋のエレアコがかぶさる。

    「Cからはじめて1音ずつ上げていって下さい」

    それだけの指示で二人はジャムっていた。
    山口洋は多分アドリブでオブリガートやソロをかましていた。

    GENIUS!

    山口洋が「もう1回」とアイコンタクトで指示を出すと
    タテタカコは「おいしいとこですよ」とソロの指示。
    素敵です。


 おわりに
    「タテタカオです」

    とオープニングでいって前日はかるくスベッたそうだ。
    そういってその日もかるくスベッて会場は一気になごんだ。

    熊本のお客さんは品がいい。
    野太い声で「ヤマグチ〜」とか「ヒーロシー」とか叫ぶ人はいなかった。
    しかしヒートウェイヴ山口洋は、熊本にも深く深く浸透していた。

    (了)



↑ ページのトップへ  

 (C)since 1979 BLUE-JUG/当WEBサイトの画像およびテキストの無断掲載はお断りいたします。         $date /$no th
";?>
 福岡音楽ポータルサイト   copyright since 1979 BLUE-JUG. All Rights Reserved Contact US at staffroom@blue-jug.com