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  福岡音楽情報サイト「Blue Jug」TOP > 福岡ROCK百科 > コラム > 箱崎祭は博多のウッドストックじぇ(寺本祐司)
コラム


"2000年代"リスト


2006.11.01
箱崎祭は博多のウッドストックじぇ

箱崎祭は博多のウッドストックじぇ

11月、この季節は箱崎祭の季節。勤労感謝の日の前後に九州大学工学部記念講堂前に特設ステージが設営される。そこで箱崎祭ライブは開催された。
 あんな豪華メンバーがよく集まったな。夕方から翌日の明け方までよく見つづけたな。立ちっぱなしで腰が痛くなったな。
 ある年はバイトと重なって会場に着いたのは深夜。7時頃東京のバンドが演ってたのに見ることできず残念。ある年は飲み会と重なって会場に着くのが遅れた。
 今となっては、万障繰り合わせで全部見とけばよかったと後悔。ビデオカメラももたず、小型のテレコももたず、カメラももってなかったので何一つ記録をとっていない。記憶と箱崎祭ロックフェスライブのLPを片手に箱崎祭の思い出をたぐってみる。
 過激なパフォーマンスがあった。ちょっとした喧嘩や小競り合いもあった。箱崎祭とは、博多の「モンタレーポップフェスティバル」だろうか。様々な才能が開花した。斬新な発想とテクニックが飛び交った。箱崎祭は、博多の「カリフォルニアジャム」だろうか。う〜ん、やっぱ箱崎祭は、ロックの宝石、ロックの宝庫、博多のウッドストックだ。

ダイナマイトゴーン
     個人的には最も箱崎祭らしいバンドだったと思っている。アフリカの民族楽器、ポータブルな手打ちの太鼓がトレードマーク。オーイェ〜、オーイェ〜!オーイェ〜、オーイェ〜!連呼していたのが印象的。


フルノイズ
     マサル(v)の絞り出すような歌声が忘れられない。
     「おー、おおおおおーお、おーおおおおおー...」
     といった感じで「パンクの星」をシャウト。
     「スライダー」はFMでよく流れていた。「冷たい風」や「涙のアリス」など名曲がいっぱい。後に「OK」をヒートウェイヴが演った。それと、ジャンピングジャムのアナログ盤では、「早く帰ろう」を涅槃の境地でシャウト。イントロからスライドギターも利いている。その頃、中洲の路上でマサルを見かけることがあった。
     ルーク寺島(g)は、ポール・マッカートニーとピート・タウンゼントとエリック・クラプトンを足して3で割った感じのルックス(コレクションのサイト参照)。武藤恭輔(g)は、フルノイズ解散後もギャングウォーなどで活躍。安部均(dr)は時代を象徴するようなロングヘアー。
     サミー津田(b)カッコよかった。おニューの白いシャツ。ボタンをべろっとはずして、いわばホスト風の着こなし。それにおろしたてのグレーのスーツ上下をバシッとキメて登場。背が高いのでステージ映えする。その筋の方のようにややガニマタで押さえたノリのステップを踏む。姿勢は仰け反り気味で、腰にフェンダーベースを乗せた感じでブンブン弾いていた。それでね、なぜか素足。イカスでしょ。


フリクション
     モダンの平山克美は、粘りのある情念のフレーズを奏でる。松川泰之はポップで美しいソロを弾く。小峰勇治は華麗に沢山弾く。
     博多のギタリストと比較すると、ツネマツはビート一発だ。必殺のコードストロークが決め技だ。フレーズを、カチン、コチンとかたまりでぶつけてきて、結果、美しい抽象画のような楽曲に仕上げる。手法が前衛的だ。フリクションの曲は今でも全く錆びていない。
     レックのダンシングベースも凄かった。弾きながら踊っているのでもなく、踊りながら弾いているのでもない。足首がクネクネ動いて不思議なパフォーマンスだった。
     ブレイク、ブレイク、オカズ、ブレイクとリズムも変則的で、構成も自由な感じを受ける。それで、やんちゃなロックンローラーは「俺でも弾ける。俺でも演れる」と言いそうだが、フリクションの曲は、実に巧妙に計算されているのだ。だから今もなお彼らの楽曲は衛星軌道上を回り続けることができる。
     ツネマツマサトシ、実は九州出身。球磨焼酎でおなじみの熊本の人吉がふるさと。2005年と2006年、九州でも昼はリトグラフの個展、夜はアコースティックライブというマルチな活躍ぶり。
     ロックと絵画、ロックと美術、ロックとアートディレクション。確かにどこかでつながっている


箱崎祭ロックフェスライヴのLP
     ライブは録音されていて、それがアナログ盤として発売されると説明があった。観客一同、うお〜っ。ステージから観客席を見渡すアングルで写真撮影を行います。写真はジャケットに使用します。観客一同、わ〜い。という感じ。
     カメラマンが言うには、元気のいい様子、アクティブで熱気に満ちたライブ風景を撮りたいとのことだった。
     みんな、せーの、でジャンプして下さい。のような流れになった。誰もが、LPレコードのジャケデビューじゃ。とノリノリだった。
     せーの、ジャンプ。
     「あ、もう少し高く!」
     せーの、ジャンプ。
     「あ、もっと高く、元気よく」
     せーの、ジャ〜ンプで撮影終了。
     「お疲れ様〜」
     東芝EMIからリリースとのことT.REXと同じじゃない。すげー。
     発売当日に、件のLPを購入。裏ジャケには、火縄銃のステージ、フルノイズ、ダイナマイトゴーンなど白黒のスナップ写真満載で、「メインストリートのならず者」という感じ。どれどれと、あの日撮影したジャンプの写真を見ると。私のダチが満面の笑みでバッチリ写っているではないか。で、横にいた私はというと、買ったばかりのコットンのジャンパーはきれいに写っているが、ジャンプしすぎて首から上が見事にアングル外になっていた。
     表ジャケは、名作中の名作ね。ペアの男女がモノトーンのドットで描かれている。それにパンクのトレードマーク安全ピンがぷすっと、いい感じに刺さっている。でもぜんぜんエロじゃなく、ぜんぜんグロじゃない。スカッとしたアートになっている。
     ネットなんか見ると、このアナログ盤けっこう高価な値段で取引されてる。

    1980・11・23 九大工学部記念行動前特設ステージ

    収録曲
    Side A
    1.つめたい風(フルノイズ)
    2.パンクの星(フルノイズ)
    3.Hey Boy(ウンドブレイカーズ)
    4.とばせハイウェイ(ウインドブレイカーズ)
    5.祭りだワッショイ(ルーズ)
    6.Up tight hung up strang out(サイコヘルパーズ)
    7.Children’s eye(ハート・ビート))
    Side B
    1.オイルダラー(ハングリーベガーズハウスバンド)
    2.ツイスト&シャウト(Hori & Matsuoka)
    3.裸の街(ダイナマイトゴーン)
    4.Fuck Station(火縄銃)
    5.BaBa A(火縄銃)
    6.Homemade Icecream(Hori&Matsuoka)

    企画・制作 箱崎祭実行委員会
    レコーディング JUKE LIVE REC. SYSTEM
    リミックス STUDIO JUKE
    レコーディング、ディレクター 有住、徳、貞
    カバー、デザイン ケンジロウ&GET co.
    製造 東芝EMI株式会社 MADE IN JAPAN (FL-6031)


火縄銃
     唐津ロックの首領。すごいバンドが来る。怖ろしいバンドが来る。あまり前で見ると殴り倒されるかもしれない。会場はざわつく。騒然とした雰囲気。
     唐津から糸島経由で、暴走族ご一行様がまんま会場に現れた感じだった。彼らは堂々黒の革ジャン。ボーカルのリキは、ガタイもよくパワフル。福岡にも怖いバンドは沢山いたが、唐津の怖さは一味違っていた。ステージのヘリまで怒涛のように押し寄せてシャウト。客席にダイブせんばかりのハードアクション。熱い汗のしぶきがほとばしる。
     アンプの音がでかい。地声がでかい。マイクが壊れそう。観客はちょっと腰がひけた感じで、遠巻きに彼らのステージを見ていた。サファリパークでライオンを見る感じ。ワニ園でクロコダイルショーを見る感じだった。箱崎祭での火縄銃のパフォーマンスは超過激だった。
     火縄銃には別の一面もある。フロントのリキ(一力干城)は唐津のカリスマであると同時に、若手のまとめ役、よい相談役で、ピザハウスを拠点に若いアーティストの育成に尽力していた。リキは故人となったが、ピザハウスは今も健在。2004年頃だったか、テレビでこの店の特番を見た。
     街のカリスマロッカーの背中を見ながらその街のロックカルチャーが育つ。素晴らしいロッカーがいる街には、イカしたロックが生まれる。


観客とオーディエンス
     箱崎祭は学園祭だけど、観客は大学生だけじゃない。あっちこっちから、ロックファンやいろいろな人が集まった。ステージに上がるバンドが変わると親衛隊(古い?)もごっそり入れ替わる。パンクファッションもいる。リーゼントもいる。オタクな大学生が下駄履で見にきたりもする。
     箱崎祭はローカルなイベントでもある。近所の居酒屋の女将が店を閉めたあとにステージ脇に現れたりもする。たとえば、バンドPのギタリストが、その居酒屋の常連さんだたりすると、ファンの一人として居酒屋女将が見に来るというわけ。
     会場内には、屋台もあった。いつも早々に完売。結構客が多い。
     チケット半券あれば、再入場できる。
     「半券もっとらんね?」
     と怖いお兄さんが優しく声をかけてきた。


ルーズ
     渡辺銃(vo)。酒を飲みながらステージ。「祭りだワッショイ」と歌いながら酒を飲み、酒を飲みながら歌う。本当に激飲していた。マジに爆飲していた。気持ちがいいほど痛飲していた。見ていて爽快。リアル・シド・ビシャスだった。ギターソロになると、アンプの横にぶっ倒れて寝ていた。ギターソロが終わるとむくっと起き上がり、絶妙なタイミングで歌い始める。ジーニャス天才!
     ストーンズの「ビースト・オブ・バーデン」。渡辺は、いったい、どのくらいこの曲が好きなんだろう。まず1回歌う。いい感じにフラフラしながら魂の歌声。
     「も、もう1回やらして」
     ワイルドな渡辺だが、2回目は観客の了承を得てから歌う。心優しい人格者だ。
    それで、ステージ2回目の「ビースト・オフ・バーデン」。フラフラ歩いて、バタンと天を仰ぐ。空は満天の星。ギターソロ。むくっと起き上がり、歌い始める。
     「ネヴァ、ネヴァ、ネヴァ、ネヴァ、ネヴァ...」
     と歌いながら、バタンと倒れ。
     「プリティ、プリティ、プリティ、プリティ、プリティ...」
     と歌いながらむくっと起き上がる。
     会場は大盛り上がり。拍手喝采。ヒュー、ヒュー。渡辺銃はいいやつ。ルーズ最高。
    そしてアンコール。で、また「ビースト・オフ・バーデン」。ワンステージに3回演っても盛り上がる。
     「ネヴァ、ネヴァ、ネヴァ、ネヴァ、ネヴァ...」
     と歌いながら、バタンと倒れ。
     「プリティ、プリティ、プリティ、プリティ、プリティ...」
     と歌いながらむくっと起き上がる。
    その後、ルーズは「25℃の恋人」というアナログ盤をリリースする。「25℃の恋人」とは、「アルコール分25%の恋人」ということは、大好きな「25度の焼酎」。多分イモ焼酎でしょう。
     当時の渡辺銃は美しくメイクしていて美少年。若いので化粧のノリも良かった。
     あ、この広域組織には構成員としてトロッキー足立もいた。「ハードワルツ」という曲が時代の先をゆく名曲だった。「たらこ・たらこ・たらこ」の第二弾は、トロッキー足立に作って欲しい。スターリンとかトロッキーとかバクーニンとかブレヒトとか、難解もカッコいい時代だった。


マグネットブラザーズ
     前日夕方にシナロケのライブを終えた浅田孟(b)は、明け方のマグネットブラザーズのステージに再登場。ジャムセッション。プロの浅田も夜通しで箱崎祭を楽しんでいたようだ。なんとなく嬉しかった。


マイク
     観客のマナーに激怒してマイクをステージに投げつけて帰るロッカーもいた。マイクの丸いワイアーがベコベコになったり、頭からポコッっと取れたりしたのを「あ〜あ」とか「もお〜」とか言いながらスタッフが撤収していたのを思い出す。
     観客は、金はらってるんだからマシなライブ見せろ。
     ロッカーは客のマナーがなってない。
     スタッフはマイクを弁償する金はどうする。
     と皆それぞれの立場で言い分がある。一瞬会場がし〜んとなる瞬間だ。
     逆に、ジャムセッションで盛り上がったりすると、観客にもマイクが回ってくる。マイクの取りあいで、マイクコードがビ〜ンと伸びたりする。歌詞がわからないときは適当な英語で
     「I never say good bye」
    とか
     「Wakya Wakya Oh yeah!」
    とか勢いだけでごまかしたり
    「Soiya, soiya, Thousand night」
    とか歌ったりで、結構楽しかった。ロックを楽しんでいる人もいるし、ただただ大騒ぎしに来ている人もいるし、ナンパ目的の人もいるけど、みんなまとめて箱崎祭だった。


モダンドールズ
     メンバー、ファッション、曲調が、毎年著しく変化。それぞれの年で、バンドスタイルは確立しているのだが、貪欲にそして華麗に変貌...Changes。


モッズ
     ちょとエロティックな歌詞が好きだった。「熱いの一発」って「ホットスタッフ」って、具体的にはどんなんだろうと妄想していた。


パイレーツ
     小峰勇治はその頃10代。とても美しいとても華麗なギタリストだった。でも曲はモダン時代より老成した感じだった。ロックとブルースで完成していた観があった。ギターソロを弾くときはフレーズを口ずさみながら弾いていた。マイクを使ってなかったので聞こえないけど、たぶんジョージ・ベンソンみたいにスキャットか無音で口を動かしていた。いろんな意見があるけど、小峰を見るとロリー・ギャラガーまたはトミー・ボーリンを思い出す。
     BG2005会場で限定販売のパイレーツCDをゲット。もうすでに出来上がっていたと再認識した。


パワーカット
     箱崎祭ライブの真っ最中に全ての電源が落ちることもあった。停電。それも意図的なパワーカット。ま、その件については、いろいろ言われてるけど、今となっては懐かしい思い出。一度ならずも二度三度と電源が落ちる。演奏していたバンドは怒髪天を突き、はらわた煮え返る思いだったろう。


ロッカーズ
     凱旋ライブ見た。箱崎祭ライブはオールナイトだけどかなり早い時間に登場。本当にパンティが飛んでいた。映画「ロッカーズ」と同じように、速い速いマシンガンのようなメドレーを披露。実際は映画「ロッカーズ」がロッカーズのステージを再現しているのだが。とにかく息つく暇もなし。スピードは最高。
     カメラマンでありアーティストであり仕掛け人でもあるマルチなCapt.H.R.氏は、ビジュアル重視なのか「前々からロッカーズがいいと思っていた」と当時言っておられた。
    客席からの声もローカルでフランチャイズな感じ
     「陣内カセット返せ〜」
     という男子の声も。
     本当にパンティが飛んでいた。と知人に話をすると。
     「なぜ、パンティを投げるのか?」
     「投げているのは女子か?それとも男子か?」
     「実際に履いていたものか?」
     「じかに履いていて、脱いだあとは...」
     と執拗に質問を受けたが。そんなことはどうでもいいことで、とにかく美しく華麗にパンティが飛んでいた。ロッカーズのステージではパンティが舞い、当時の泉谷しげるのライブではトイレットペーパーがテープのように飛び交っていた。
     2002のCBでの佐谷光敏追悼ライブ。鶴川ユニットのデビッド・ボーイも味があった。


ルースターズ
     私が楽しみにしていたルースターズは、その年、ステージには上がらなかった。他のバンドと喧嘩して帰ったらしい。多分あのバンドと。


シーナ&ザ・ロケッツ
     シナロケも箱崎祭に来た。というかここは鮎川誠の母校。80年代は、ポプコングランプリの小森田実も在校生だった。セカチュウの片山恭一も在校生。


ショットガン杉原&サイコヘルパーズ
     サイコヘルパーとはどんなことをしてくれる人なのだろうか。と思った。精神面をヘルプ、精神面をケアしてくれるのか。それよりもなによりもネーミング最高。サイコヘルパーズ。かっこいい。ショットガン杉原、イカスじゃない。


Unknown
     名前の分からないバンドも沢山見た。
     やたらギターが上手くてスティーリーダンの「キッド・シャールメイン」の長い長いギターソロを延々と完全コピーで弾きまくるギタリストがいた。あの人は今?誰だったんだろう。
     顔を左右二色のどうらんで塗り分けているボーカルがいた。右向きと左向きで顔の色が変わる。そういうユニークなボーカルもいた。


ウインドブレイカーズ
     ロックやエレキギターといえば不良の代名詞。しかし、そんな時代に、アイドルのような女子がロックを演っていた。太田黒恵美。やんちゃでパワフルな奴らが集う場所にキュートな女子。これって「ゴクセン」とか「セーラー服と機関銃」のシチュエーション。危険な状況に可憐な女子。違和感がスリリング。
     モダンドールズのイベントには必ず駆けつけて元気な姿を見せてくれる。嬉しい。
     ロンドンにはレインコーツ、福岡にはウインドブレイカーズ。


おわりに
     私はいつもステージの下で見るだけの立場だった。バンドの皆様と箱崎祭の運営をされたスタッフの方々に感謝致致します。

    (了)




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